マンションの鍵交換|費用相場や基本的な流れ、注意点は?

扉に鍵をさす

紛失、防犯上の理由などで、マンションの鍵交換を検討されている方は多いのではないでしょうか。自宅とは異なり、マンションは入居者の自由にできない部分がたくさんあります。鍵交換に関しても注意が必要です。

こちらでは、マンションの鍵を交換する際に発生する費用や、交換までの流れ、注意点などについて解説します。

鍵交換とは

鍵交換とは、鍵を紛失した際や鍵が壊れた際に交換する作業のことを言います。鍵は家をはじめとした施設に不可欠な設備であり、使えないまま放置しておくことは危ないです。また、差し込む鍵をなくした場合は、防犯上の観点から交換が求められます。

厳密に言えば、鍵の交換とは一般的にシリンダーの交換を意味します。シリンダーとは、鍵の機構に組み込まれている鍵穴部分のことです。作業の効率化、メンテナンス性向上のために、一般的な鍵はシリンダー部分が取り外せるように設計されています。専門業者はシリンダータイプ以外の鍵交換にも対応可能です。

鍵全体の構造を理解すれば、一般の方でも鍵の交換はできます。ただし、作業ミスなどが起こるほか、交換作業が終わったとしても深刻な欠陥が残されていることも考えられるため、基本的にはプロの手を借りることがおすすめです。

マンションの鍵交換が必要なタイミング

マンションでは、どんなタイミングで鍵交換を行うべきなのでしょうか。マンションの鍵が交換される代表的なタイミングをご紹介します。

引っ越し

新しいマンションに引っ越すタイミングで鍵交換をすることは、慣例となっています。

通常であれば、前の入居者は退去する際に鍵の返却を行いますが、その際持っている鍵を全て返すとは限りません。そのため、鍵の交換を行わなければ、前入居者が隠し持っていた鍵を利用してマンションに侵入するケースが考えられます。こうした防犯上のトラブルを回避するため、新居の契約時には鍵の交換が不動産会社などから案内されます。

鍵の交換は入居前に行われるのが一般的です。そのため、通常は入居した時点で前入居者の侵入を心配する必要はありません。しかし、もし心配な場合は入居した際に不動産会社に確認しておきましょう。

なお、賃貸物件の場合はコスト削減のために複数の鍵を用意しておき、入居者が変わるたびにローテーションされます。そのため、新居に付いている鍵や渡される鍵は基本的に新品ではありません。

紛失

外出時に、所持している鍵をどこかで落としてしまうことがあります。家族が自宅にいる場合は、開けてもらうことも可能です。また、予備の鍵がある場合は、そのままメインの鍵として流用することもできるでしょう。しかし、紛失した鍵が見つからない場合は、防犯上の理由から鍵を交換しておくと安心です。

鍵が第三者の手に渡ると、その鍵で部屋に不法侵入されるケースが考えられます。マンション付近で鍵を紛失した場合は、自宅を特定されている可能性があるため、特に注意が必要です。

故障

鍵は経年劣化で故障することもあります。鍵が差し込みにくい、鍵が回りにくいといった不具合が出てきた場合は、メンテナンスのタイミングです。鍵の状態によっては、交換が必要になることがあります。

鍵のメンテナンスや状態確認は、早めに行うことが肝心です。外出して帰宅した際に鍵が壊れて開かなくなると、対応に苦労します。通常はなんらかのサインがあるため、「様子がおかしい」と感じた時点で専門業者にメンテナンスや交換を依頼しましょう。

マンションの鍵交換における注意点

マンションの鍵交換で注意していただきたいのが、基本的に入居者の独断で行うことはできない、という点です。賃貸マンション、分譲マンションに関わらず、管理会社に許可を得なければなりません。

賃貸マンションの場合、鍵を含めマンション内の設備はすべてオーナーのものです。そのため、勝手に交換することはできません。理由に関わらず、鍵の相談について相談しましょう。

分譲マンションの場合、物件の所有権は入居者が持っています。しかし、鍵の交換については念のため、管理組合や管理会社、オーナーなどに相談してください。

基本的に鍵の交換費用は入居者が負担しますが、交換の理由によっては管理責任の範疇と見なされ、管理会社の負担になるかもしれません。余計な費用をかけないためにも、管理会社などに相談しておくことをおすすめします。

オートロックマンションにおける鍵交換の注意点

オートロックマンションの鍵を紛失した場合、鍵を取得した何者かが部屋だけではなく、共用部分に侵入してくる可能性も考えられます。

鍵を紛失した1部屋の鍵を交換したとしても、共用部分に侵入される心配は残ります。マンションのセキュリティとしては、大きな不安を抱えている状態です。マンション全体のセキュリティを考えるうえでは、1部屋だけではなくオートロックシステムそのものの交換の検討も必要になります。

ただし、実際の対応は管理会社によって異なります。オートロックシステム全体の交換は、コストや手間の問題から見送られるケースが一般的です。コストについては、管理会社が加入している保険でカバーされることもあります。

いずれにせよ、オートロックシステムのマンションで使用している鍵を紛失した場合、鍵の交換はそのマンションの住民全員に関わってくるということを知っておきましょう。

マンションの鍵を自分で交換する場合の注意点

鍵の交換を業者に依頼すると費用がかかることから、DIYで交換しようと考える方は多いかもしれません。この点についても、まず管理会社や管理組合に相談しましょう。業者に依頼するように案内された場合は、自分での交換は避けてください。

管理会社から許可が出た場合は、自分で交換することも可能です。ただし、必要な技術や知識から考えて、交換できるのは一般的なシリンダータイプの鍵に限定されます。また、プラスドライバー、マイナスドライバーといった工具や新しいシリンダーが必要です。シリンダーは多くの種類があるため、マンションの扉に合うメーカー、品番の商品を選ぶ必要があります。

工具や知識があれば一般の方でも作業できますが、やはり専門の業者に依頼するほうが安心です。不慣れな作業で失敗すると、結局業者へ依頼することになり余計な費用が発生してしまいます。

マンションの鍵交換費用の内訳

マンションの鍵交換を専門業者に依頼した場合、以下のような費用が発生します。

    • 鍵本体の料金
    • シリンダーの料金
    • 人件費(工賃)

また、業者から自宅までの距離や、依頼する時間帯にも注意が必要です。業者によっては、交通費や深夜割増料金を請求するところもあります。

マンションの鍵交換の費用相場

マンションの鍵交換を業者に依頼した場合、どの程度の費用が発生するのでしょうか。以下では、費用相場を鍵の種類別にご紹介します。

シリンダーキー

シリンダーキーは、現在使われている鍵のなかでも最もスタンダードなタイプです。

鍵の特徴

シリンダーキーは、片側にギザギザとした刻みが付けられています。刻みの高さ・深さや、鍵によって異なります。正しい鍵を差し込むと、シリンダー内のピンが正しい位置に納まり、鍵が回るようになる仕組みです。以前はピッキングなどの被害に遭いやすいと考えられていましたが、近年の製品は防犯性に優れています。

ディスクタンブラーやピンシリンダー、ロータリーディスクタンブラーなど、さまざまな種類がある点も特徴です。

相場

シリンダーキーの交換は、7,980円~の費用がかかります。

ディンプルキー

ディンプルキーは、防犯性の高さが評価され、最近のマンションでは一般的に採用されています。

鍵の特徴

ディンプルキーは、鍵の表面に細かな凹凸を設けている点が特徴です。正しく凹凸が配置された鍵を挿入しなければ、鍵が開きません。この機構により、ピッキングへの防犯性を高めています。信頼できる反面、鍵本体の価格は高めです。

相場

ディンプルキーを交換する場合、16,000円~の費用が発生します。

電子錠

近年は、電子的に鍵を開閉するタイプの設備も一般的です。

鍵の特徴

電子錠の種類として、カードキーや暗証番号による鍵が挙げられます。

カードキータイプの鍵は、物理的な鍵とは異なり簡単には複製できません。そのため、非常に高い防犯性を実現できます。新築のマンションで導入されるケースが増えてきた鍵の種類です。

暗証番号は、あらかじめ設定しておいた番号を入力してカギを開けるタイプの設備です。誰かに番号を知られることがなければ、カギを開けられる心配はありません。

他にも、指紋認証などさまざまなタイプの電子錠があります。

物理的な鍵の交換ではなく、データや設定の変更で対応する点が特徴です。このことから、交換にはそれほど費用がかかりません。

相場

代表的な電子錠であるカードキーの交換には、12,800円~の費用が発生します。仕組みによっては10万円程度になることもあるため、確認が必要です。

費用が高くなるケース

鍵の状況によっては、鍵の交換費用が高くなるケースがあります。特に交換する鍵の数が多い場合や特殊な鍵の場合は、費用が高くなる傾向です。

ドアの上側に鍵を取り付けるツーロックシステムは、防犯性を高められることから普及しています。一方で、鍵が2つあることから交換費用は高くなってしまうのが難点です。同じ鍵で2つのカギを開けられる場合、鍵を紛失した場合は上下両方の鍵を交換しなければ意味がありません。

また、オートロックや特殊な鍵、今では一般的ではない古い鍵なども、交換費用が高くなります。

マンションにおける鍵交換の費用負担

鍵の交換費用は誰が負担するのでしょうか。以下では、交換費用の負担について、賃貸マンションと分譲マンションに分けてお話しします。

賃貸マンションの場合

賃貸マンションの鍵を交換したい場合は、通常は入居者が費用を負担しなければなりません。詳しいルールについては、入居時の契約書や資料などに記載されています。

紛失の場合は、入居者の過失と見なされます。また、防犯対策の向上ためまだ壊れていない鍵の交換を行う場合も、基本的には自己負担です。

例外的に、経年劣化で鍵が古くなっている場合は、管理会社負担で交換できるケースがあります。鍵の交換に関して管理会社に相談する場合は、鍵の状態についても説明してみてください。

分譲マンションの場合

分譲マンションの場合、原則として鍵の交換は自己負担です。管理会社が費用を負担することは基本的にありません。

分譲マンションは専有部分と共用部分に分けられ、専有部分は入居者が任意で設備に手を加えられます。その費用も自己負担です。共用部分は管理会社やオーナーが管理している部分ですが、入居者が設備変更をしたい場合は費用を負担しなければなりません。

つまり、専有部分と共用部分の違いは鍵の交換に際して許可が必要か、という点のみであり、どちらの鍵交換も基本的に入居者が費用を負担します。なお、専有部分の鍵交換であっても、トラブルを回避するためには管理会社に相談しておくと安心です。

マンションの鍵交換の流れや時間の目安

自分でマンションの鍵交換を手配することになった場合の流れや、交換までの時間についてお話ししましょう。一般的にメーカーへ交換を依頼する方法と、専門業者に交換を依頼する方法の2種類があります。

メーカーへ交換を依頼する場合

鍵のメーカーへ問い合わせ、鍵の交換を依頼することができます。相談の際には、鍵の品番などを伝えましょう。

ただし、スタッフ派遣のためにスケジュール調整が必要なことから、交換までには時間がかかります。鍵の紛失により自宅に入れない場合では、現実的に利用できない方法です。

鍵専門業者へ交換を依頼する場合

そのエリアに対応している鍵の専門業者に連絡し、鍵の交換を依頼する方法です。

現場に作業員を呼び、鍵の状況を見てもらったうえで見積もりを出しもらいます。業者によっては即日で鍵の交換も可能です。

マンションの鍵をなくしたときの対処法

マンションの鍵をなくした場合は、落ち着いて以下のように対処してください。

管理会社へ連絡

鍵を紛失した場合は、なるべく早めに管理会社に伝えましょう。エントランスを開けられる鍵も一緒に紛失した場合は、マンションの住民全員の安全に関わる問題です。状況をしっかりと伝え、管理会社からの指示をもらってください。管理会社によってパートナー関係を結んでいる専門業者がおり、スムーズに交換作業が行われるケースがあります。

警察へ連絡

防犯上の観点から警察へ連絡をすることも大切です。鍵を拾った誰かが警察に届けている可能性もあります。遺失届を出しておけば、警察に鍵が届けられた場合に連絡をもらうことも可能です。遺失届の提出は書類への記入と警察官への情報申告のみで、10~20分で終了します。

 

マンションの鍵交換で、知っていただきたいことについてご案内しました。マンションの鍵交換は、自宅の鍵交換以上に注意しなければならないポイントがあります。くれぐれも他の入居者に迷惑をかけることがないように、不安なことがあればその都度管理会社・管理組合・オーナーに相談することを心がけましょう。

東横救急では、マンション鍵交換のご依頼にも対応しております。24時間・365日、現場にすぐ駆けつけ、料金を抑えつつ最適なマンションの鍵交換の方法をご案内。ぜひお気軽にご相談ください。

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