お客様からのご依頼
古くからある賃貸マンションを管理している方から、鍵開けと鍵交換を同時に行いたいという相談が入った。状況を聞くと、退去者がスペアキーを落として紛失していたことが後から判明したとのこと。落とした鍵を誰かに拾われた場合、住所が特定されると侵入リスクが発生するため、防犯上の観点から早めに対応したいという主旨だった。退去から次の入居までの間に鍵を更新するのは賃貸管理の基本的な防犯対応だが、特に鍵の紛失が確認されている場合は優先度が一段上がる。
武蔵野市で待機中の作業員がそのまま現場へ向かい、状況を確認することになった。元の鍵はMIWAのU9シリンダーで、ギザ鍵形状でありながら現行のディスクタンブラー方式と比べてピッキング耐性が高く、現在も多くの賃貸物件で採用されている標準的なシリンダーの一つだ。U9は名前のとおり9つのロータリーディスクを用いた構造で、それぞれのディスクが鍵の形状に合わせて回転し、シアラインを揃えることで開錠する仕組みになっている。比較的リーズナブルな価格帯でありながら一定の防犯性能を持つため、今でも需要が高いシリンダーと言える。
今回のケースで管理者と相談したのは、同じU9のまま鍵番号だけ変えるか、それともこの機会にディンプルキーへ格上げするか、という判断だった。同じシリンダーに鍵番号を変える方式は費用を抑えられる利点があるが、シリンダー本体の防犯性能はそのままになる。一方でディンプルキーに切り替えると、ピッキング耐性が大きく向上し、合鍵作成にも制限がかかるため、紛失リスクへの備えとしても優位になる。
管理者の判断としては、わずかな費用の差であれば防犯性能を一段引き上げたいとのことで、また、落とした鍵がそのまま流通する状態で次の入居者を迎えるのは管理上も忍びないとの意向もあり、ディンプルキーへの切り替えを選択された。お住まいのドアと既存錠ケースの寸法に合うことを確認した上で、GOAL社のディンプルキー(V18系)に交換する方針で進めた。
GOAL V18は、シリンダー内部にピンを6本ずつ3列、合計18本配置した構造を持つディンプルキーで、シリンダー名の「V18」もこの18本のピン構造に由来する。ピンが複数方向に配置されているため、ピッキングで一列ずつ揃えていく従来の手法では対応が極めて難しく、業界内でも防犯性能の高いシリンダーの一つとして知られている。さらに上ピンには対ピッキング用のセクションピン(アンチピッキングピン)が組み込まれており、不正開錠への耐性が二重に確保されている構造だ。
取り付け作業は、既存U9シリンダーの固定ピンを抜いて取り外し、新しいGOAL V18シリンダーをセットして固定し直す手順で進めた。錠ケース本体は流用できる規格だったため、シリンダー部分のみの交換で対応が完了した。鍵が新しい番号になり、なおかつシリンダー自体の防犯性能が一段上がったことで、紛失した旧鍵が悪用されるリスクは実質的にゼロとなり、管理者・次の入居者の双方にとって安心材料となる対応となった。
三鷹市の作業事例








