お客様からのご依頼
家族の安否を確認したいという早朝の緊急連絡を受けた。前日の夕方から母親と連絡が取れず、高齢で一人暮らしのため心配との内容で、至急現場へ向かうことになった。安否確認の対象は依頼者の母親で、武蔵野市緑町の戸建てに住んでいる方だった。現地に到着すると、娘さんと夫の二人が会社を休んで玄関前で作業員を待っていた。
安否確認を伴う鍵開けは、通常の開錠依頼とは性質が大きく異なる。万が一の事態に備える緊急対応であり、依頼者の精神的な負担も大きい。チャイムを鳴らしても電話で呼びかけても反応がないという状況は、家族にとって最も不安が募る状況だ。今回も奥様は不安が頂点に達してとうとう泣き出してしまうほどの状態だった。
こうした安否確認のケースでは、本来は警察の立ち会いを伴うのが望ましい。第三者の客観的な確認が後々のトラブル回避につながるためで、特に独居高齢者の安否確認では警察への通報と並行して業者を呼ぶことが推奨される。ただし、緊急性が高く家族の判断で先行して開錠する場合も実務上は発生しており、今回もそうしたケースに該当した。
家族からの鍵開けの了承を得て、工具を使った特殊開錠で玄関ドアを開けることになった。安否確認時の開錠は、可能な限り短時間で、かつ屋内への影響を最小限にする手法を選ぶ必要がある。破錠で鍵穴を破壊する選択肢もあるが、もし母親が無事だった場合に開錠後すぐに施錠を回復できる方が望ましいため、まずは非破壊での特殊開錠を試みる方針とした。
鍵穴にテンションツールとピックツールを挿し込み、内部のピンを順次揃えていく作業を進めた。緊急性が高い場合は手元の集中力が試される作業で、焦って動かすとピンの感触を読み違える。今回はピンの段数や形状から、特殊開錠で対応できる範囲のシリンダーだったため、約10分で開錠することができた。
奥様が室内に駆け付けたところ、母親は布団の中でうなされている状態だった。意識は保たれており、命に関わる事態には至らずに済んだ。鍵を早期に開けたことで体調の悪化を最小限に食い止めることができ、はらはらする現場ではあったが、結果として早めの確認が幸いに繋がった事例となった。
独居高齢者の安否確認は、超高齢化が進む現代において業者に持ち込まれる相談として年々増加している。家族が遠方に住んでいるケース、近隣との交流が薄いケース、高齢者本人がスマートフォンを使い慣れていないケースなど、安否を即座に確認できない状況は多岐にわたる。普段から定期的な連絡の取り決め、緊急連絡先の整備、近隣住人との関係づくり、見守りサービスの活用といった備えが、こうした緊急事態の発生確率を下げ、また発生した際の対応速度を上げる助けになる。
武蔵野市の作業事例








