お客様からのご依頼
事務所を構えている会社員の方から、鍵についてのご相談を受けました。時間は20時を過ぎた頃で、事務所を離れようと鍵をかけようとしたら、鍵が回せなくなっていたとのこと。朝はなんともなかったのに、と少々混乱されているご様子が声から伝わってきました。突然の鍵トラブルは精神的な動揺を伴うため、電話口でのご説明が断片的になることが多くなります。
作業員が向かう先までおおむね30分前後だったため、住人は事務所の中で待っているとのことで、至急現場へ向かいました。事務所のドアはガラスドアで、業務用建物では一般的な仕様の一つです。ガラスドア用の錠前は、住宅用と比べて特定のメーカー・規格に限定される傾向があり、対応する錠前の選択肢も限られます。
現地で鍵を確認すると、MIWA U9のシリンダー錠が取り付けられていました。MIWA U9は、ロータリーディスクタンブラー方式と呼ばれる構造を持つギザ鍵タイプのシリンダーで、9枚のディスクが鍵の形状に合わせて回転することで開錠します。ギザ鍵タイプとしては比較的防犯性能が高く、業務用・住宅用ともに長年広く採用されてきた定番シリンダーです。
作業員も鍵をお借りして実際に回してみましたが、空回りで全く手応えを感じられない状態でした。鍵自体は問題なく挿し込めて、回転動作もスムーズに行えるものの、その動きが内部のロック機構に伝わっていない様子。シリンダーとデッドボルトをつなぐ駆動部分(テールピース、ロッキングカム)が摩耗・破損していると典型的に発生する症状です。
住人によれば、かなり長く同じ鍵を使用してきたとのこと。事務所のような業務用建物では、住宅以上に鍵の使用頻度が高い場合があります。出勤・退勤の他にも、来客対応、業務時間外の作業、会議のための一時施錠など、1日に何度も鍵を回す状況が発生します。住宅の玄関鍵が1日数回の使用なのに対し、事務所では1日10回以上開閉することも珍しくありません。
使用頻度が高ければ、それだけ内部部品の摩耗も早く進行します。一般的にシリンダーの耐用年数は10年から15年程度とされていますが、使用頻度が高い業務用設備では、より短いサイクルで交換時期が来ます。今回も経年劣化によるシリンダー内部の機構不良が原因と判断されました。
住人は使い勝手の良いU9シリンダーを気に入っており、防犯性能も維持したいとのことで、同じMIWA U9のシリンダーで新品に交換する方針となりました。同型での交換は、シリンダーケースの寸法と取り付け規格が同じため、既存の錠ケースをそのまま流用できる利点があります。錠ケース側に問題がなければ、シリンダー単体の交換で済むため、作業時間と費用を抑えられます。
取り付け作業は、既存U9シリンダーの固定ピンを抜いて取り外し、新しいU9シリンダーをセットして固定し直す手順で進めました。新しいシリンダーでの動作確認を行い、空回りせずスムーズに施解錠できることを確認して作業完了。新しい鍵に交換すると同時に、子鍵が3本ついてきたため、複数のスタッフが鍵を持つ運用にも対応できる状態になりました。「いっそのこと鍵を新しくして良かった」とのご感想をいただいた事例となりました。
三鷹市の作業事例








