お客様からのご依頼
玄関の鍵を落としてしまった、交番に行ったけれど届いていなかったとのことで、開錠をご希望のお客様からご相談のお電話がありました。その方のお住まいは杉並区浜田山にお住まいで、鍵は上下二箇所ついているとのこと。
玄関に上下2か所の鍵が取り付けられた「ワンドアツーロック」の構造は、防犯対策として広く推奨されている仕様です。1か所だけのロックでは、ピッキングやサムターン回しに対する抵抗時間が短く、不正侵入を試みる側にとっての「侵入コスト」が低くなります。2か所のロックがあれば、不正侵入を試みる時間が単純に2倍となり、5分以上侵入に時間がかかると判断した時点で諦める統計データもあるため、ワンドアツーロックは抑止効果の高い構造です。
鍵は二箇所とも開けてほしいとご希望があり、すぐにお客様の元に向かいました。鍵紛失からの開錠では、ワンドアツーロックの両方のロックが施錠状態になっているため、両方とも開錠する必要があります。片方だけ開錠して終わるわけにはいかず、結果として作業時間と費用が単独鍵の場合の2倍程度になります。
お電話いただいた20分後にお住まいのマンションに到着しました。マンションは持ち家のため、最悪壊して開けるようになっても問題ないとのことでした。賃貸物件と持ち家では、鍵交換における判断の自由度が大きく異なります。賃貸の場合、退去時の原状回復義務との関係で、シリンダー破壊を伴う破錠開錠は避けたいというニーズが強くなります。一方、持ち家の場合は所有者の判断で自由にシリンダーを交換できるため、状況に応じて最適な開錠手法を選びやすくなります。
鍵は2か所ともMIWAのディンプルキーを使用しており、ハイセキュリティシリンダー錠のためピッキング不可でした。MIWAのディンプルキーシリーズ(PR、JN、DNなど)は、ピンが複数方向に配置された構造を持ち、現場でのピッキングでは事実上開錠が困難な仕様となります。鍵紛失からの開錠では、ピッキング以外の手法を検討する必要が生じます。
ディンプルキーシリンダーが取り付けられた住戸の開錠手法としては、サムターン回し、扉の構造を利用した工具操作、破錠開錠などの選択肢があります。それぞれ、扉の構造、シリンダーの位置、ドアスコープや郵便受けの有無、補助錠の状況などを総合的に観察した上で、最適な手法を選定します。
最終的にはご了承をいただき、工具を使って特殊解除を行いました。持ち家でシリンダー破壊が許容されるケースでは、現場の状況に応じた工具操作で内部のロック機構に直接アプローチする手法も選択肢に入ります。シリンダー破壊と並行して、開錠後の新しいシリンダーへの交換も検討する流れとなります。
2か所のロックを順次解除する作業は、1か所目で得たシリンダーの特性情報を2か所目の作業に活かせる利点があります。同じ住戸の2か所のロックは、通常は同じメーカー・同じ世代のシリンダーが採用されているため、1か所目の経験が2か所目の作業効率を高めます。
鍵紛失からの開錠後は、紛失した鍵の所在が不明である以上、シリンダー交換が防犯上推奨される対応となります。紛失した鍵が誰かに拾われて住所を特定された場合、第三者が侵入を試みるリスクが現実的に残ります。新しいシリンダーへ切り替えることで、旧鍵が完全に無効化され、紛失に関連するすべてのリスクが切り離されます。
ワンドアツーロックの構造を維持する場合、新しいシリンダーも上下2か所とも同等以上の防犯グレードに揃えることが望ましくなります。片方だけ高セキュリティで、もう片方が旧仕様のままという状態は、結局のところ弱い方の鍵が侵入経路として狙われるため、両方の防犯性能を一定以上の水準で揃えておく必要があります。
持ち家の防犯対策では、シリンダー交換と並行して、追加の防犯機構を検討する選択肢もあります。サムターンカバー、煙返し、防犯カメラ、人感センサーライトなど、複数の対策を組み合わせることで、家全体のセキュリティを多角的に底上げできます。鍵紛失をきっかけに、家全体の防犯設備を見直すアプローチは、結果として家族の安心感の回復につながります。
杉並区の作業事例








