お客様からのご依頼
仕事の長い一日を終えて、家でゆっくり過ごすことを楽しみに帰路についたものの、玄関前で鍵がないことに気づくというパターンは少なくない。今回の相談者もまさにそのケースで、会社のロッカーにキーケースごと置いてきてしまったという。自宅から会社まで戻るには片道50分以上かかり、疲労困憊の状態でもう一度往復するのは現実的ではないとのことだった。
住まいは中野区江古田のマンションの1階で、状況を聞いた住人はまず自力での解決を試みていた。1階ということでベランダから入れるのではと考えたが、窓の鍵もしっかりロックされている状態だった。1階や低層階だからといって防犯を緩めるわけにはいかず、現代のマンションは1階のベランダ側の防犯にむしろ配慮されているケースが多い。結果として自力での対応は無理と判断し、慌てて業者に問い合わせをいただいた流れとなった。
すぐに中野区江古田にあるマンションへ向かい、現地で見積もりを行った。住人は疲労が蓄積して早く家に入りたい気持ちでいっぱいだったため、現場到着後すぐに鍵穴の状態を確認し、見積もり提示から作業開始までスムーズに進めた。
玄関の鍵穴を確認したところ、特殊工具(ピッキングツール)で開錠が可能なタイプのシリンダーだった。ピッキング開錠は、鍵穴にテンションツールでわずかな回転力をかけながら、ピックツールで内部のピンを一本ずつ正しい高さに押し上げて、シアラインを揃えていく作業になる。一見シンプルだが、ピンの数や形状、シリンダーごとの特性によって難易度が大きく変わるため、熟練を要する技術だ。
今回のシリンダーは現代のハイセキュリティ仕様ではなく、ピッキング対応可能な構造だったため、シリンダーや鍵穴を傷つけることなく非破壊で開錠することができた。所要時間は約20分。住人からは「これでようやくゆっくり休める」と安堵の反応があり、無事に家に入って一日を終えられる状態に戻った。
この事例から学べる点は二つある。一つは、鍵の保管場所を一箇所に集中させすぎないこと。会社のロッカー、自宅、車などに保管場所が分散していると、どこかで一つ失っても他で補完できるが、すべてキーケースに集約していると一度の置き忘れですべての鍵にアクセスできなくなる。緊急用のスペアキーを信頼できる家族や近隣の人に預けておく、自宅近くのキーボックスに緊急用を入れておくといった備えがあれば、こうした状況を回避できる。もう一つは、1階だからといってベランダや窓からの侵入が容易なわけではなく、現代の建物は1階こそ防犯対策が強化されていることが多い、という点だ。日頃から窓の施錠を徹底することは防犯上重要だが、一方で自分が締め出されたときの非常手段としては機能しないことを認識しておく必要がある。
中野区の作業事例








