お客様からのご依頼
玄関の鍵開け依頼が入った。深夜帯ということもあり、依頼者はかなり不安そうな様子で電話をかけてきた。住所は武蔵野市の吉祥寺で、おおむね20分程度で到着できる旨を伝えると、すぐに来てほしいとのことで早速現場へ向かった。
深夜帯の鍵トラブルは、特に女性や一人暮らしの方にとって不安感が大きい。日中であれば近所のカフェやコンビニで時間を潰しながら待つこともできるが、深夜は周辺の店舗も閉まっており、玄関前で一人で待つ以外の選択肢が事実上ない。さらに、対応してくれる業者の数自体が日中に比べて減るため、「電話に出てもらえない」「いつ来てくれるか分からない」という不安が重なる。
現場に到着して状況を確認すると、住人は帰宅時にタクシー車内で鍵を落としてしまったとのことだった。タクシー車内での落とし物は本来であれば乗車したタクシー会社に連絡することで回収できるケースが多いが、今回は領収書を受け取っていなかったため、どの会社のタクシーに乗ったか特定できず、連絡を取る術がない状況だった。
鍵穴を確認したところ、GOAL社のディンプルシリンダーが取り付けられていた。GOALのディンプルシリンダーは、V18系列をはじめとして、内部にピンを複数方向に配置した高防犯仕様の構造を持つ。ピッキング耐性が非常に高く、現場での通常のピッキングでは開錠が極めて難しいタイプだ。
こうした高防犯シリンダーに対しては、ピッキング以外の特殊な解錠手法を使う必要がある。ディンプルキーであってもシリンダー内部の構造を熟知していれば、専用の工具と技術で非破壊での開錠が可能なケースは存在する。具体的には、ピックガン(高速振動で複数ピンを一気に揃える工具)、特殊なテンション工具、シリンダー外部からの精密操作など、シリンダーごとに有効なアプローチが異なる。
今回のGOALディンプルシリンダーに対しては、構造を踏まえた特殊な解錠方法を用いた。作業中はシリンダーや扉に余計な傷を残さないよう、力の入れ方と工具の挿入角度を慎重に調整しながら進めた。結果として10分程度で作業は完了し、シリンダーを破錠することなく扉を開けることができた。
住人にはタクシー乗車時の領収書受け取りの重要性を伝えた。深夜帯にタクシーを利用する際は、現金払いでもキャッシュレス決済でも、必ず領収書を受け取っておくことで、後から落とし物の問い合わせができるようになる。領収書には乗車したタクシー会社名と車両番号、乗車日時が記載されており、これがあれば落とし物センターに連絡して当該の車両を特定してもらえる確率が大きく上がる。
タクシーやバスといった公共交通機関での落とし物は意外と多く、特に酒席の帰り道や深夜帯の移動で発生しやすい。鍵を含む貴重品は、車内に座っている間に必ず鞄やポケットの定位置に戻す習慣をつけておくと、こうしたトラブルを減らせる。
武蔵野市の作業事例








