お客様からのご依頼
長年使っていなかったと思われる金庫が押入れから出てきた、というご相談が杉並区浜田山の戸建てから入りました。金庫は数年前に亡くなったご主人のものと判明しましたが、奥様が発見した時点では、ご主人が生前のうちに使っていたかどうかも記憶が曖昧で、おそらく長期間放置されていたものではないかとのことでした。
相続物件の整理に伴う金庫開錠は、依頼として定期的に発生します。故人が遺した金庫の中身を確認したいというニーズは、相続税申告のための財産確認、遺品整理の一環、感情的な区切りをつけるための整理など、複数の理由で生じます。今回も、何が入っているか分からない状態の金庫を放置しておくのは気持ちが落ち着かないという理由でのご依頼でした。
現地で金庫を確認したところ、鍵穴とテンキーの両方が付いた家庭用金庫でした。状況としては、鍵が手元になく、テンキーの暗証番号も不明、さらに持ち主であるご主人本人もすでに故人という、解錠の手がかりが全くない状況でした。こうしたケースでは、金庫の本体を保存して再利用する選択肢は事実上なく、中身の取り出しが目的の処分前提開錠となります。
奥様に状況をご説明し、金庫は処分名目で開ける方針で合意しました。処分前提であれば、破錠手法の選択肢が広がり、結果として短時間で確実に開錠できる可能性が高まります。鍵穴やテンキーから時間をかけて非破壊で開ける必要がないため、ロック機構の位置を特定して直接破壊する手法が取れます。
家庭用金庫の鍵穴+テンキー併用方式は、内部のロック機構が複雑になっている分、破錠にもそれなりの時間を要します。鍵穴とテンキーの両方が物理的に独立したロックバーを動かす構造になっており、両方が解除されないと扉が開かない仕組みだからです。破錠ではこの両方のロックバーを強制的に動かす経路を確保する必要があります。
ドリルで鍵穴の周辺に小さな穴を開けていく作業から開始しました。金庫の外装鋼板の厚みと、内部の耐火材の硬さによって、ドリル作業の進行速度は大きく変わります。今回はかなり厚みのあるしっかりとした作りで、外装の鋼板も厚く、耐火材も詰まった構造だったため、ドリル作業に予想以上の時間がかかりました。途中でドリルビットを交換しつつ、慎重に内部のロック機構へアクセスする経路を確保していきました。
作業開始から50分後、ロック機構に到達して内部から強制解錠することに成功し、金庫の扉が開きました。中身の確認は奥様ご自身に行っていただき、故人が遺していたものを一つひとつ取り出していきました。中身が確認できた段階で、奥様からは「思い出と共に整理できて良かった」とのお言葉をいただきました。
遺品整理で金庫が出てきた場合、無理に自分で開けようとせず、専門業者に相談するのが結果的に最も合理的な判断となります。中身が想像と異なる場合(例えば家族が知らなかった書類や貴重品が入っている、あるいは逆に空だった)もあり得るため、現場で冷静に確認できる環境を整えておくことが重要です。金庫本体は処分するか再利用するかを後から判断できるよう、可能であれば中身の確認まで含めた立ち会いをお願いするケースが多くなります。
杉並区の作業事例








