お客様からのご依頼
施設の貴重品管理の用途のため、金庫を2台所持していたが、その内の1つの金庫が開かなくなってしまったとのことで、緊急の金庫開錠に関するお問い合わせがありました。いくつか他社にも鍵開けの概算を電話で訊いているとのことでした。
中には10万単位の金額を提示されるところもあり、確かに金庫は防犯性の高い作りだとは思うけれど、そんなにも高額になるのか、と疑問を感じたそうです。金庫開錠の見積もりは、金庫のサイズ、メーカー、防犯性能のグレード、開錠手法の難易度などによって大きく変動します。一般的な家庭用金庫であれば数万円台で対応できることが多く、業務用の高セキュリティ金庫や防盗金庫(TS規格対応モデル)になると桁が変わってくる場合もあります。電話口での口頭見積もりは、実物を確認していない時点での概算のため、現地で状況を確認した結果と乖離するケースも珍しくありません。
場所は杉並区井草。ちょうど電話に出たのが同じ杉並区を担当している作業員でしたので、見積もりに伺いました。エリア担当者がそのまま現場対応する流れは、移動時間と段取りの面で効率的で、お客様への到着時間も短縮できます。
金庫は一般的な家庭にある電子レンジくらいのサイズで、テンキー式と物理的な鍵を使って開けるタイプのものでした。家庭用金庫として広く普及しているサイズで、施設の貴重品管理用としても適切なグレードの製品でした。
暗証番号は元々使っていなかったのでわからない、鍵も挿し込んでも回らないとのことでした。テンキー式と鍵穴併用の金庫では、両方を解除しないと扉が開かない直列ロック構造が一般的です。暗証番号を使わない運用は、利便性を優先した結果として時々見られますが、メーカーが想定する本来の使い方からは外れており、ロック機構への負担が偏る原因にもなります。
鍵が挿し込めても回らない原因は複数考えられます。シリンダー内部のピンの摩耗、駆動機構の固着、鍵そのものの摩耗による噛み合わせ不良、内部のロックバーの破損などです。今回は現地で動作を確認した結果、鍵側からのアプローチでの非破壊開錠は難しいと判断されました。
鍵穴の少し斜め上に小さな穴を開けて、そこから工具を入れて開けていく穿孔開錠の手法を選択しました。穿孔開錠は、金庫の特定位置にドリルで小さな穴を開けて、内部のロック機構に直接アクセスする手法です。穴を開ける位置は、金庫のメーカー・型番ごとに異なる内部構造を踏まえて選定する必要があります。今回の金庫の型番から内部構造を把握した上で、適切な位置に穿孔して、内部のロック機構を直接解除する形で開錠を進めました。
作業は40分で完了しました。鍵があるのに挿し込んでも開かなくなってしまう不具合は、家庭用・業務用を問わず時々発生します。長期間使わない金庫ほど、内部部品の固着が進みやすく、いざ使おうとした時に動かないという状況に陥りがちです。定期的に鍵を回して動作確認をしておく、ダイヤルを回して機構の固着を防ぐ、といった習慣で、突発的なトラブルの発生確率を下げることができます。
杉並区の作業事例








