お客様からのご依頼
事務所の鍵を紛失してしまい、開けに来てほしいとのことで、至急中野区江古田の駅付近にあるマンションに向かいました。事務所として使用しているマンションの一室で、業務上すぐに入室する必要がある状況でした。
マンションを事務所として利用する形態は、SOHO(小規模事務所)、士業の事務所、IT系のスタートアップ、コンサルタントの個人事務所などで広く見られます。専用の事業用物件と比べて家賃が抑えられ、駅近の利便性も確保しやすいというメリットがあり、特に首都圏では一般的な選択肢となっています。一方で、住宅用マンションを事業利用する場合、防犯対策は住宅と同等またはそれ以上の水準が求められます。事業書類や顧客情報、業務機材などを保管しているため、紛失時のリスクも個人住宅以上に大きくなります。
マンションのドア前に依頼主が待っており、急いでドアの鍵穴を調査していきました。鍵はGOAL社のV18という鍵で、ディンプルキーのため、ピッキングでは開けられない防犯性の高い鍵でした。
GOAL V18は、シリンダー内部にピンを6本ずつ3列、合計18本配置したディンプルキー構造を持ち、ピッキング耐性が極めて高い製品です。上ピンには対ピッキング用のセクションピンが組み込まれており、不正開錠への耐性がさらに高められています。事務所用途として、適切な防犯性能を備えたシリンダーが採用されている状況でした。
お客様にピッキング不可の鍵のご説明をすると、他社にも電話した時に同じことを言われたそうで、覚悟していたようでした。現代の住宅用・事業用シリンダーの大多数がピッキング不可仕様になっており、ディンプルキータイプの場合は鍵穴側からの非破壊開錠が事実上困難です。複数の業者に問い合わせても、同じ結論に至るケースが多くなります。
結果、ご了承いただき、工具とドリルを使って破錠開錠を行いました。破錠開錠は、シリンダーや錠前を物理的に破壊して内部のロック機構を強制的に解除する手法です。確実性が高い反面、シリンダー本体は破錠後に再使用できないため、開錠後の新しいシリンダーへの交換が必須となります。
ドリル作業では、シリンダーの構造を踏まえて、ロック機構を解除するために最適な位置に穿孔を行います。GOAL V18は耐ドリル性能も備えており、シリンダー本体に超硬合金製のパーツが組み込まれているため、一般的なドリル作業よりも時間と工具の選定が重要になります。慎重に作業を進め、内部のロック機構を解除して扉を開けることに成功しました。
次の日に鍵を新しく交換する作業も併せて行いました。当日中に新しいシリンダーへの交換が望ましいケースが多いものの、適合する部材の在庫状況や、お客様のご都合によっては翌日対応となる場合もあります。今回は応急的に破錠開錠で扉を開け、防犯上の暫定対応を取った上で、翌日に正式な新しいシリンダーへの交換作業を実施する流れとなりました。
今回の鍵の紛失で、鍵の保管や管理はもっと厳重に行うとおっしゃっておりました。事業用途で鍵を紛失すると、住宅以上に大きなリスクを伴います。事務所内には顧客情報、業務書類、PC、業務機材など、第三者が侵入した場合の被害が大きくなる物品が複数保管されているケースが多くなります。
事業用途の鍵管理の改善策としては、複数人で鍵を分散保管する、暗証番号式のキーボックスを併用する、スマートロックや暗証番号式の電子錠に切り替える、入退室記録を残せる管理システムを導入する、といった選択肢があります。特に複数のスタッフが出入りする事務所では、物理鍵中心の運用から電子的な入退室管理に切り替えることで、鍵の紛失リスクそのものを構造的に下げることができます。
中野区の作業事例








