お客様からのご依頼
店舗の鍵穴に異物を詰め込まれて開けられない、という店舗関係者からの相談を受けた。状況的に悪質ないたずらが疑われ、店の従業員が後入電(電話を折り返す形)で連絡をくれた。現地調査を希望されたため、すぐに向かうことになった。場所は杉並区高円寺の飲食店で、交通状況にも恵まれてスムーズに店舗まで駆けつけることができた。
飲食店や小売店など、不特定多数の人が出入りする場所の出入口は、悪戯や悪意のあるいたずらの標的になりやすい。特に夜間営業を行う店舗の場合、閉店後の人通りが少ない時間帯に異物詰め込みやスプレー塗布などの被害が発生することがあり、翌朝の開店時に初めて発覚するパターンが多い。
現地でシリンダー錠の鍵穴を確認すると、紙屑のような白い異物がいくつもの層になって詰め込まれていた。一度や二度押し込まれた程度ではなく、明らかに意図的に何度も繰り返し詰め込まれた量で、悪質性が高いと判断せざるを得ない状況だった。鍵穴内部に異物が押し込まれると、鍵を挿してもピンの動きが妨げられるだけでなく、無理に鍵を回そうとすると鍵が折れるリスクも発生する。
異物の状態を詳しく観察したところ、紙屑はシリンダーの奥深くまで押し込まれており、表面側から細かいピンセットや工具で取り除こうとしても、奥側に押し込まれてしまうだけで完全に除去することは難しい状態だった。さらに、紙が湿気を含んで膨張している可能性もあり、無理に取り除こうとすると鍵穴内部のピンを変形させたり、シリンダー内部を傷つけたりするリスクもあった。
従業員にこの状況を伝え、現実的な選択肢として破錠開錠を提案した。破錠は、シリンダーを物理的に破壊して内部のロック機構を強制解除する手法で、異物が完全に詰まったシリンダーに対しては最も確実な開錠方法になる。従業員は店舗責任者にその場で電話連絡し、破錠の可否を確認した。数分の待機の後、責任者の了承が取れたため、破錠開錠作業に入った。
破錠開錠でシリンダーを取り除き、扉を開けた後、続けて新しい鍵への交換作業に移った。同じシリンダーに戻すと、異物詰め込み被害の再発が防げないだけでなく、いたずらの標的にされている店舗である以上、防犯性能を引き上げる必要があった。今回は耐ピッキング・耐破壊性能の高いディンプルキーシリンダーへの交換を行い、シリンダー本体の防犯性能を一段引き上げる形で対応した。
鍵穴へのいたずらは、店舗側にとっては大きな営業損失につながる。開店前に開錠できなければその日の営業に支障が出るし、被害が繰り返されれば顧客への印象も悪化する。防犯カメラの設置や入口照明の強化、シリンダーカバー(鍵穴を保護するカバー部品)の取り付けなど、物理的な対策を組み合わせることで、いたずら被害の発生頻度を下げることができる。今回の店舗でも、警察への被害届提出と並行して、こうした追加対策を検討するとのことだった。
杉並区の作業事例








