お客様からのご依頼
不動産会社で担当しているマンションの入居者が中から出てこないため、鍵を開けたいというご相談がありました。長くそのマンションに住んでいる入居者の方で、過去にも同じようなケースが発生していたとのこと。さすがにまた今回も同じ状況かと、不動産会社の担当者はかなり困っているご様子でした。今回は強制的にでも玄関ドアを開けたいというご意向でした。
マンションのエントランス前で合流してほしいとのことでしたので、お時間を調整しながら向かいました。場所は調布市八雲台のマンション。賃貸マンションの管理業務では、家賃滞納、住人の安否確認、住民同士のトラブル、設備故障対応など、入居者と直接やり取りが必要な場面で接触が取れなくなるケースが定期的に発生します。こうした場面で業者に立ち会いを依頼するパターンは、管理会社にとっては定番の業務フローの一つとなっています。
エントランスを抜けて対象の号室前へ移動し、まずは不動産会社の担当者が入居者に向かって声をかけました。ですが、ドアの向こうからは全く反応がありませんでした。複数回の呼びかけを試みましたが状況は変わらず、いよいよ作業員の出番となりました。こうした強制開錠を伴う立ち会いでは、後々のトラブル防止のために、依頼者である管理会社が立ち会い、複数の人間で状況を確認しながら作業を進めるのが原則となります。
鍵穴を確認したところ、MIWA製のディンプルキーシリンダーが取り付けられていました。MIWAのディンプルキーは、内部にピンを複数方向に配置した高防犯仕様の構造を持ち、ピッキングでの開錠は現実的ではありません。代表的なシリーズとしてはMIWA PR、MIWA JN、MIWA DNなどがあり、いずれもCP認定相当の防犯性能を持っています。
ピッキング以外の手段としては、サムターン回しと呼ばれる工法が選択肢に入ります。これは、ドアスコープや郵便受けなどから特殊な工具を内側に挿入し、内側のサムターン(つまみ式の施錠機構)を直接回して開錠する方法です。本来サムターン回しは不正侵入の手口として知られているため、現代のマンションではサムターン回し防止カバーを取り付けているケースも増えていますが、今回のドアは旧来のサムターン形状で、防止カバーは設置されていませんでした。
不動産会社の了承を得た上で、特殊工具を挿し込んでサムターンを回す形で開錠を実施しました。作業は20分もかからずに完了。シリンダー本体を破壊することなく、扉に大きな傷を残すこともなく、ドアを開けることができました。
賃貸物件における強制開錠は、管理会社・大家・入居者の三者の権利関係が絡む複雑な作業になります。原則として入居者の同意なく住居に立ち入ることは法的にも慎重な対応が必要で、家賃滞納や安否確認といった正当な理由と、書面での合意プロセスを経た上でないと実施できません。今回も管理会社側で事前に必要な手順を踏んでいたため、現場での作業はスムーズに進んだ形となりました。業者単独で判断して開ける作業ではなく、依頼元の責任と判断のもとで実施される性質の作業と言えます。
調布市の作業事例








