お客様からのご依頼
戸建てにお住まいの70代くらいの男性から、「鍵を持って行かないで散歩に行ったら閉め出されてしまった」とのことで、ご相談を受けました。場所は中野区鷲宮。同じ中野区で待機している作業員がおり、至急現場へ向かいました。到着は15分でした。
高齢者の方が「ちょっとそこまで」と鍵を持たずに外出してしまうケースは、戸建てでもマンションでも一定の頻度で発生します。日課になっている近所の散歩、ゴミ出し、新聞の取り込みといった短時間の外出時に、鍵を持つことを忘れがちです。普段は家族が在宅していて鍵がなくても入れる環境であれば、本人の中で「鍵を持つ」という意識が薄れていくことも背景にあります。
玄関ドアは2か所鍵が設置されており、二か所開ける必要がありました。ワンドアツーロックの構造は防犯上は推奨される仕様ですが、外部から開錠する場面では2か所分の作業時間と工程が必要になります。「二か所分の費用は厳しい」何とかならないか、とのご相談をいただきました。
こうした場面で取れる選択肢として、玄関ではなく窓からの開錠が可能かを確認することがあります。「窓ガラスを割るのか」と驚かれましたが、そうした乱暴な手段ではありません。日本の住宅で広く使われている引違いの窓には、ガラスを割らずに開ける手法が存在します。
引違いの窓は、左右にスライドして開閉する2枚の窓ガラスが、窓枠にはめ込むために多少の余裕がある作りになっています。この余裕によって、窓枠とガラスの間にわずかな隙間が生じます。この隙間を利用して、外部から専用の薄型工具を挿入し、サッシ内側のクレセント錠(半円形のレバー式ロック)を操作することで、ガラスを割らずに窓を開けることができます。
クレセント錠は本来、防犯目的というよりは窓の気密性を確保するためのロックという位置づけです。サッシ枠に取り付けられた受け金具に半円形のレバーを引っ掛けることで、左右の窓を寄せて隙間を埋める役割を果たします。そのため、構造的には外部からの操作に対する防御性能はあまり高くありません。本人の鍵紛失時には、この特性が逆に利点として機能します。
工具をサッシの隙間に慎重に挿入し、内側のクレセントレバーの位置を確認しながら、ゆっくりとレバーを回転させて解錠する作業を進めました。窓ガラスを傷つけず、サッシ本体やクレセント錠そのものにもダメージを与えず、外部から開錠することができました。作業は20分です。
クレセント錠経由の開錠は、玄関の高セキュリティシリンダー2か所を破錠する場合と比べて、費用も時間も大幅に抑えられます。一方で、これは「外部から窓を開けられる経路が存在する」ということでもあり、防犯上は気になるポイントでもあります。引違窓の防犯対策としては、クレセント錠だけでなく補助錠(窓用の追加ロック)の取り付け、防犯フィルムを貼ってガラス破り対策を施す、振動センサー付きの窓用警報器を設置する、といった追加対策を検討すると、本人の閉め出し時の利便性とのバランスを取りつつ防犯性能を高められます。
中野区の作業事例








