お客様からのご依頼
玄関ドアの鍵開けについてのご相談がありました。時間は深夜2時を過ぎたところでした。依頼人は20代くらいの女性と、そのご友人の2名でした。鍵がなくて入れず、一度別の業者に開錠依頼をしたのですが、現地で開けられないと言われてしまったとのことでした。
深夜帯の鍵トラブルでは、対応できる業者の数が日中に比べて減るため、一度依頼した業者で対応できないと、振り出しに戻って次の業者を探すことになります。時間が経つほど精神的な負担も大きくなり、特に女性の一人または少人数で待つ状況では、不安感が積み重なります。今回は2名で待っていらしたとはいえ、深夜2時という時間帯は誰にとっても緊張感のある状況だったはずです。
どうやら防犯グッズを取り付けていて、最初の業者の作業員では難しいと言われてしまったようでした。25分後、お客様のお住まいである練馬区光が丘のマンションに到着しました。
鍵はGOALのディンプルキー2か所で、ドアスコープはついているものの、側面全体に煙返しが取り付けてありました。煙返し(けむり返し)は、ドアとドアの枠を覆い隠す形で取り付ける防犯部品で、扉と枠の隙間に工具を差し込んでロックを破ろうとする「こじ開け」や、扉と枠の間の隙間からラッチボルトを操作する「カード破り」を防ぐ機能を持ちます。バールやヘラのような工具を扉の隙間に挿入される手口に対して、物理的に工具のアクセスを遮断する役割を果たします。
防犯対策としての煙返しは非常に有効ですが、本人が鍵を紛失した際の外部からの開錠作業も同様に妨げる方向に働きます。シリンダー側からのピッキングが不可能なディンプルキー2か所に加えて、扉側面からのアプローチも煙返しで遮断されているため、選択できる開錠手法が大きく限定されます。最初の業者の作業員が「現地で開けられない」と判断したのは、こうした複合的な防犯仕様に対する対応スキルや工具の準備が整っていなかった可能性があります。
そのため、お客様に状況をご説明し、特殊開錠を行うことになりました。煙返しの取り付け状況、ドアスコープの位置、シリンダーの種類、サムターンの形状などを総合的に観察し、その現場で最も確実に対応できる手法を選定します。今回は、煙返しの隙間を最小限に活かしながら、内部のサムターンを操作するアプローチで進めました。
特殊工具を扉とドアスコープの間から慎重に挿入し、サムターンの位置を確認しながら、煙返しの取り付け状況に合わせて工具の角度を微調整しました。煙返しによってアクセス経路が制限されているため、通常のサムターン回しよりも工具の操作スペースが狭く、慎重な作業が求められます。
作業は50分かかりました。防犯グッズが取り付けられていると、開錠作業のプラスアルファで作業工程が発生するため、通常の鍵紛失対応よりも所要時間が長くなります。お客様にこの点を事前にご説明し、所要時間と費用感について納得していただいた上で作業を進めました。
防犯対策としての煙返しやサムターンカバーは、不正侵入のリスクを大きく下げる有効な手段ですが、本人の鍵紛失時には開錠作業に時間を要する側面もあります。スペアキーを信頼できる人に預ける、暗証番号式のキーボックスを併用する、といった備えと組み合わせて運用すると、防犯性能と非常時の利便性のバランスが取りやすくなります。
練馬区の作業事例








